こんな人におすすめ!
#クローズド・サークルや孤島ものが好きな人
#特殊な設定・状況のストーリーが好きな人
#ゾクゾク感を味わいたい人
ネタバレなしの『方舟』感想:こんな状況絶対に嫌すぎる!!
読み応えたっぷりで楽しく読み切りました!!
裏表紙にも書かれていますが、このお話は「主人公・柊一が友人たちとともに地下建築に閉じ込められてしまうが、誰か1人が犠牲になればそのほか全員は助かる」という設定です。
なかなかヘビーな状況ですよね。
そして閉じ込められて間もなく殺人が起こるという、イレギュラーにイレギュラーが重なる事態です。ただこの殺人によって、柊一たちにはひとつの共通認識ができあがっていきます。「犯人を生贄にして、犯人以外は地上に出よう」と。
普通に生活していたらまず起こらないであろう状況ですが、読み進めていくうちに私は「自分だったらどうしたんだろう」と考えずにはいられなかったです。やっぱり犯人探しをして、生贄になってもらうよう説得したのだろうかと。悩み、葛藤する柊一たちがリアルで、いつのまにか自分ごとのようにも考えていました。
あともうひとつ。これはネタバレにあたらないかと思いますが、『方舟』では柊一の従兄である翔太郎が探偵役となります。
この翔太郎という人物、論理的で賢く、かつ常に冷静で良かったです。探偵役がスマートだと、物語により没入できますよね。
犯人をきちんと見つけることができるのか、方舟から脱出できるのか、結末を見届けてください!
ネタバレありの『方舟』感想:読み終えた日の夜は眠れなくなりました
恐怖のエピローグ&ラスト。全員の絶叫が脳内で再生されました……。
衝撃の一文の前ページを読みながら、「今から地下で死ぬことになるのは、私じゃなくて、柊一くんたちなの」という文言がチラッと見えて、麻衣もいよいよおかしくなってしまったのかと思いました。夢の話でもしているのかと。全然そんなことはありませんでした。
この物語の中で麻衣が一番狂っているけど、でもずっと正気で冷静で、すべては麻衣の思い通りに事が運んでいた事実がとても恐ろしかった……。最後の殺人が起こった後、なんとなく柊一が一番犯人であってほしくない人が犯人ではないかと思い、麻衣が生贄になるのではと予想はしていました。
ただ結末は思っていた方向とは全く異なり、柊一も翔太郎もそして私も、麻衣の数歩後ろを歩いていたに過ぎませんでした。
ここからは想像ですが、麻衣は脱出した後、方舟のことは誰にも話さず、新しい人生を生きたのではないかという気がします。しばらくはこの出来事を引きずるとは思いますが、数年経ったら結婚して、家庭を築いているのではと想像しました。
柊一に突きつけられた選択は、私にもグサッと刺さりました。「大切な人を見捨てずに自分も運命を共にできるか」。たまーに、“大切な人が絶体絶命の状況で、でも自分が手を差し伸べればその人は助かるけど、自分が危機にさらされるときどうするか”みたいなことを考えるんですよね。
もちろん答えは出ていないですが、そんなことを考えていたら読み終えた日に午前3時くらいまで目が冴えてしまいました。恐ろしいです……。


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